馬場智行写真展 孤独の左目
2023/02/05
展示概要 孤独の左目
視覚認識とは何か。本作は着想から10年余り続く、視覚認識の謎を巡る写真と思索の旅で ある。作者は鑑賞者をこの旅の同行者とするため、展示空間をこの問題を共有していく場 として活用しようとしている。そのため、展示空間をただ鑑賞の場とするのはなく、能動 的な体験の場として、プリントと鑑賞者の接続と対面を試みている。 ビジュアルコミュニケーションがこの問題のキーワードとなると考え、このコミュニケ ーションのあり方を知ることで、我々が身体に視覚を備えていることの本来的な意味の把 握に近づこうとしている。現代における視覚的コミュニケーションが主としてデジタルを 媒介している点と、視覚が身体の一部であるという点から、デジタルであることと身体性 とが本作における要件であると考えている。そのため、Photoshopの簡易なツールを用い ることで感覚的な操作(マニピュレーション)を行い、自身のユニークな左目の見え方に近 付けたものが本作で示される写真となっている。 カメラの進化により高解像度の鮮明な写真を得られる現代において、”不鮮明な写真”とい うアビバレントなニュアンスを持つ写真と、機能として欠陥のある自身の左目えを用いて 視覚という根源的な題材に向き合おうとしている。
会期
2023年1月19日(金)~1月24日(火) 12:00〜19:00
会期中無休・入場無料